自転車の走行環境については、「自転車利用環境整備ガイドブック」(平成19年10月)が国交省および警察庁より発表され、各自治体はこれにより環境整備に取り組むことになりました。
このガイドブックの中で整備手法として、道路構造自体を改良し自転車の走行部分を構築する方法と、既設の歩道・車道を利用して標示等で歩行者自転車を区別する方法が挙げられています。全標協としては後者の手法に対し様々な提案や情報を積極的に発信し、業界として発注を促していきたいと考えています。
以上のように、現状では構造的に改良したほうが自転車の通行にとっては走りやすい空間となっています。だからといって、すべての歩道、車道を改良することは困難です。また、既設の歩道等を利用するにも上記の写真のように明確に区分され、自転車にとっても歩行者にとっても通行しやすい環境とは言い難い現状になっています。
そこで、標識や標示等でわかりやすく景観的にも配慮した安全対策としての空間整備が求められてきます。専門業者としての知識や経験を活用して、利用者にとって安全に通行できる空間づくりを提案していくことが重要です。
対策事例としていくつかの提案例を挙げてみました。これは、今年9月に行われた国土交通省 中部地方整備局との「標識等改善検討会」で発表し、また、10月21日開催の「中部・関西ブロック会議」でも提案いたしました。
広い歩道での交差点付近です。
ここでは特に自転車と歩行者が混在する危険性があります。
ここでの安全対策について考えてみました。
この歩道でもバス停や歩道橋といった自転車と歩行者が混在する箇所があります。
ここでの安全対策について考えてみました。
以上のように対策例を挙げてみましたが、この事例以外にもたくさん対策案はあると思います。すでに各方面から提案意見を多数いただいています。それらを参考に安全・安心な自転車走行の環境整備に寄与していきたいと考えています。