技術情報
防護柵・高欄・フェンス部会
防護柵設置基準改定について
1. 歩道等のある橋梁・高架の防護柵設置
（1）経緯
平成18年8月に福岡市臨港道路「海の中道大橋」において防護柵突破による車両転落事故が発生しました。その事故を契機として、今回の基準改訂では、今後より安全性を向上させるため、橋梁上の防護柵設置のあり方が見直されました。
（2）改訂事項
「防護柵設置基準・同解説」の歩道等のある橋梁・高架における車両用防護柵設置の必要性の判断要件（p67）の項に2点d），e）が追記されました。
b）線形が視認されにくい曲線部など、車両の路外逸脱が生じやすい場合
c）地域の気象特性等によって路面凍結が生じやすくスリップ事故が多発している場合
d）橋長が長いなど走行速度が高くなるおそれのある場合
e）歩道幅員が狭い、又は縁石高さの低い場合
既存防護柵の適合・不適合の判断
1.（片側歩道の）橋梁、高架での設置の考え方は満足していますか。
（注1）
車両の橋梁外への逸脱を防止する必要がある区間で、歩車道境界に車両用防護柵を設置することが困難である場合には、転落防止機能を有する歩行者自転車用柵を兼用した車両用防護柵を設置するものとする。
（注2）
歩車道境界に車道用防護柵がない橋梁、高架区間の路側に種別SPのアルミニウム合金製防護柵を設置する場合は、ハイテンション型のアルミニウム合金歩行者自転車用柵を用いるものとする。
（注3）
歩行者などが混入するおそれのある場合には、必要に応じて転落防止機能を有する歩行者自転車用柵を兼用した車両用防護柵を設置するものとする。
2. 防護柵の機能は満足していますか。
- 縦格子の隙間150mm以下になっていますか。
- アルミニウム合金材の場合、歩車道境界に防護柵がないときはハイテンション型
- 車両用防護柵の形状及び高さは満足していますか。
2. 防護柵への付着金属片
（1）改訂の背景
平成17年5月、付着した金属片により自転車利用者が負傷する事故が発生し、その事故を契機に全国の防護柵で多数の付着金属片が発見されました。金属片は、全国38,000箇所で確認され、ガードレールのボルト部および継ぎ目部に三角形状、長さ約10cm前後のものが付着しており、自動車に由来するものであることがわかりました。
今回の基準改定では、安全な道路環境を維持するため、「維持管理」について見直されました。
（2）改訂事項
第4章共通事項 4-2維持管理
解説の改訂（p87）
・点検・管理項目の追加