近年の高齢化社会に対応して、高齢者ドライバーの増加がみられます。特に山間部道路での渋滞についてみると、大型貨物車と高齢者ドライバーが原因の多くを担っているようです。
高齢化に伴い、身体的な機能低下は避けられません。中でも、運転技術の基本的機能である視覚能力の低下は、複雑な線形をもつ山間部道路ではドライバーに大きな精神的負担を与えることになります。特に降雨時の夜間運転では、視距の短いなか、ドライバーに大きな精神的負担が求められます。
以下は、運転能力が低下した高齢者ドライバーが増加する中、安全で快適なドライブが可能となる安全施設について提案するものです。
複雑な道路線形の中での運転も、あらかじめ状況の認識と把握がなされていれば、予測運転が可能となります。その結果、ドライバーの精神的緊張が緩和し、円滑な運転操作につながります。
状況の認識と把握は、走行するドライバーの視界から得られる「現状認識」と、カーナビから得る知識や走行経験のような「予備知識」とに区別されます。
以上から、複雑な線形を持つ山間部道路では、ドライバーの視界中心部(路面上)に情報を明示することで、状況の変化に対応する精神的負担を軽減させることが可能と考えられます。
山間部道路は複雑な線形を持ち、ドライバーは変化する状況を狭い視界の中で瞬時に判断して運転走行します。ここで、予備情報として線形の変化がわかっていれば運転に余裕が生まれ、ドライバーの精神的負担が軽減されます。ただ、この余裕が思い込みになり、突発的変化に対応が遅れてしまう危険も生じます。
ドライバーの現状視界内で先の予測ができれば、突発的変化にも追従的に対応されます。従って、線形の予測が路面上に明示されることで、線形の変化に対応でき、ドライバーの精神的負担の軽減に役立ちます。
線形を予測させる方法として、視線の集中する路面に線形暗示表示があります。この方法は、すでに交差点や、通学路で利用され効果をあげております。
具体的な路面表示方法は、以下の通りです。