令和元年6月に起きた滋賀県大津市の右折車と直進車の事故に巻き込まれ保育園児16人が死傷した事故、また、令和3年6月に千葉県の八街市の飲酒運転のトラックによる小学生5人を巻き込んだ事故等が相次いで発生しており、罪もない子どもたちの命が危険にさらされております。
我々は交差点の歩道部に着目しそこで待機する児童を車両の侵入から守るために歩行者保護ボラードの提案を行いました。
前項の事故を受け、国として“未就学児を中心に子どもが日常的に集団で移動する経路の安全確保”、“未就学児を中心に子どもが日常的に移動する経路の緊急安全点検”などの方針が関係閣僚会議にて決定した、また、対策として防護柵、ボラード、カラー舗装、標識、標示の整備などが提案された、そこでボラードについても耐衝撃性を有する製品の活用(支柱1本で衝突に抵抗できるもの)などの歩行者対策案が出された。
今回設置した歩行者保護用ボラードについては、衝突速度45km/h(普通乗用車クラス)の衝突荷重91.4kJ(キロジュール)の衝突実験を行い、強度が確認されたものを交差点4か所に設置しました。施工は防護柵の支柱打込み機で行いました。表面は保護用の弾性ゴムでできているため自転車等の衝突でも衝撃は吸収されるようになっています。完成後の本体も景観に配慮した景観色で仕上げてあります。これですべて解決ではありませんが、交差点で待機する児童においては運転を誤った車両から保護が可能になったと思います。
今回設置した「歩行者保護用ボラード」
令和3年11月4日に西尾市役所において贈呈式を執り行いました。
贈呈をしました西尾市長・中村健様からは、設置した地域は西尾市では新興住宅街で若い家族が多く小学児童も多いので大変効果的だとの感謝の言葉を頂戴しました。
最後になりますがこれですべてが解決するわけではありませんが国の基準、方針に沿った製品また工法を提案し今回のようなボランティアなどで検証を行い一人でも多くの交通弱者のかけがえのない命を守ることを目標に協会員全員で技術を研鑽してまいります。
贈呈式のようす